2010年 アメリカ作品
1941年の映画 狼男 のリメイク
狼男 は日本劇場では未公開
戦後に 狼男の殺人 としてTVで放映され
その後DVDも発売された古典ホラーの傑作である
出演はロン・チェイニー・ジュニア と
31年の魔人ドラキュラ や32年ホワイトゾンビ のベラ・ルゴシ
監督はジョージ・ワグナーだった
その後81年狼男アメリカン や様々な作品が世に出たが
印象が強くヒットしシリーズ化までされたのは
81年のハウリング のみだろう
このような古典ホラーは最近ヒットも出ず
忘れ去れてしまう気がして遺憾だが
今回はハリウッドスターを惜しみなく出演させ
真に丁寧に仕上げているがさて日本の評判は?
因みに公開初日
私の入った映画館では観客は4人だった
内容は原作と似ているが幾つか変更された点もある
一番大きいのは時代背景で
今回はヴィクトリア時代のイギリスが舞台
装飾 小物においては文句のつけようがない力の入れよう
更に町並みや服装も可也気を使っているのが分かる
監督 の意見をかなり取り入れたものだが
特に原作と比べて根本が変化してはいない
注目はやはり主役の3人プラス1
ベニチオ・デル・トロ はアカデミー賞助演男優賞
経験者で舞台俳優としても超一流
言わずと知れたアンソニー・ホプキンス は
無論レクター博士 役でアカデミー賞主演男優賞
エミリー・ブラント はプラダを着た悪魔 で
ゴールデングローブ賞の受賞経験者
まさにBIG3である
プラス1はヒューゴ・ウィーヴィング
マトリックス のスミスでお分かりか
今回彼が演じた警部は実在の人物で
切り裂きジャックの事件を担当していたらしい
因みに今回マレーバ役を演じたのは
ジェラルディン・チャップリン
苗字で分かる通りチャーリー・チャップリンの
娘である 実に父親の若い頃に目が似ている
肝心の出来具合だが古典のリメイクほど
難題で厄介な物は無い
今回は先に述べた通り至極丁寧に作られているが
衝撃や真新しさはやはり皆無
更に言えばウルフマンの実態や生態
起源の説明は無く狼少年に誤魔化された気がする
まぁ名優達が真面目に取り組み本気で撮った古典
なのだから21世紀に相続されたことを喜び
ミイラ男やドラキュラ フランケンシュタインと
同じ棚に飾って拝もうではないか
映画うつ病や不安
1891年 イギリス ブラックムーアの森
満月の夜 何者かに襲われ逃げ惑うベンは
顔を爪で引き裂かれ悲鳴を上げる
アメリカでハムレット等の舞台俳優を職とする
ベンの弟ローレンスに1通の手紙が届いた
差出人はベンの婚約者グエンで
行方不明の兄の危機を知らせてきたのだった
ローレンスは25年ぶりに故郷イギリスの生家
タルボット城に帰ってきた
出迎えたのは冷徹な父ジョンと犬のサムスン更に使用人
ジョンは放浪息子が帰ってきたと喜ぶ様子も見せず
兄は既に遺体で見つかったと告げる
ローレンスは兄の遺体を見に行き思わず悲鳴を漏らす
遺体は無残に引き裂かれ見る影も無かったのだ
酒場で酒を煽ると聞こえてくる村人の声
あれは人間の仕業ではない
城に戻り兄の形見をグエンに渡たし犯人を付きとめる
と約束 肩身のメダルを手に兄が買った先を探す
漸く販売元のジプシーを割り出したが
その夜は満月
ジョンは危険だから城から出るなと忠告したが
馬を駆ってローレンスはジプシーのキャンプに向かった
ジプシーのマレーバを尋ねると異様な雰囲気
ジプシーの飼い熊が犯人だと思った警官隊が
なだれ込んできたのだ だが大人しい筈の熊が騒ぎ出すと
途端に何者かが目にも止まらぬ速さで次々とジプシー達や
警官達を襲い始めた
キャンプは逃げ惑う人で大騒ぎになってしまったが
銃を拾ったローレンスは獣のようなそれに発砲
逃げる獣を追いかけたが
待ち伏せに遭い肩を食いちぎられる
警官隊が銃を発砲すると獣は逃げ出し
重症のローレンスはマレーバの応急処置を受けたが
ジプシー達はローレンスを殺すべきだと言っていた
城に運び込まれたローレンスはグエンの看病で
医者も驚くほど回復したが あまりに早すぎる
夜 ローレンスは子供の頃死んだ母の記憶が
蘇ってきた 父に抱かれて庭で死んだ母
同時に奇形の獣人間の幻想も見る
骨折弁護士サクラメント
驚くべき回復を見せたローレンスは
グエンと川で親交を深めていたが
何頭もの馬に跨った村人達が
医者と牧師を連れて城に遣ってきた
彼らはローレンスの回復スピードを知り
引き渡せと迫ってきたのだ
ジョンがハッタリと銃で脅すと村人達は
すごすごと引き上げて行ったが今度は
ロンドンからアパライン警部がやってきた
アパラインはローレンスの過去を調べ上げ
傷も狂言だと信じ込み犯人に違いないと思っていたのだ
幼いときに母の死を目にしたローレンスは
意味不明な事を言って精神病院に
入院していた経歴を持っていたが記憶は治療で消されていた
ローレンスに密かに恋心を抱き始めていたグエンだったが
満月が近づくにつれ体と心に変調を来たし始めたローレンスは
無理にグエンをロンドンに帰した
ローレンスもまたグエンに惹かれていたのだ
満月の夜 ジョンが庭を歩くのを見たローレンスは
後を追って地下に入る
するとそこは亡き母の墓標であった
ジョンは母の思いを語り自分は既に死んでいると言う
そして月明かりの下にローレンスを追い遣った
突然苦しみだしウルフマンに変身したローレンスは
人間味を全て失い森に入り村人を惨殺する
翌朝木陰に返り血を浴びて横たわるローレンス
ジョンはそのまま警察に引き渡した
強くなれ息子よ
幼い頃入院した精神病院に送られたローレンスは
自信過剰でサディステックなマッドDrに再会する
Drは氷水のプールに椅子に縛ったローレンスを
窒息寸前まで何度も沈めウルフマンは幻覚で
狼化妄想の再発だと決め付ける
虐待とも取れる異常な治療を繰り返された末
鎖で繋がれた病室にジョンがやってきた
ジョンを見たローレンスは全てを思い出す
幼い頃見たウルフマンは父で母を噛み殺したのだ
更にベンも殺し自分もウルフマンに仕立てた理由を
問うとジョンは経緯を話す
昔魑魅魍魎や奇怪な生物が生息するという
山に入り洞窟で出くわした狼少年に腕を噛まれたこと
母を殺したのは本意では無かったがベンが連れてきた
グエンはあまりに母にそっくりで
野生の衝動を抑えられなかったこと
飛び掛るローレンスであったが鎖で繋がれ届かない
ジョンは笑いながら目を光らせ去って行った
今夜は満月だ
部屋のいびき
Drは狼化妄想の実況説明のため多くの著名人や
医師 学者を講堂に集め 椅子に縛り付けた
ローレンスを公開した
彼は自分がウルフマンだと妄想している
今夜は満月だ 皆さん彼がどう反応するか
見ていてください
と笑いながら自分の研究成果を高らかに説明し始める
ローレンスはやめろ全員死ぬぞと警告するが
嘲笑の的になっただけだった
アパライン警部も現れDrのうぬぼれは頂点に達した
満月が窓にかかると見る見る変化を始めるローレンス
皆は驚き騒ぎになるが背を向けて自分の話しに夢中な
Drだけ気が付かない
とうとう完全にウルフマンに変化したローレンス
逃げ惑う人々を次々に虐殺 やっと気が付いたDrは
窓から投げ出され柵に串刺しになった
一旦逃げ出したアパライン警部は外で警官隊を呼び集め
屋根を走るウルフマンに発砲するが全く効果が無い
町中を暴れ周り逃走するウルフマンを目で追った警部は
神よ救い給え・・・と絶句してしまった
橋の下で人間に戻ったローレンスは疲れた体を癒すために
グエン宅に忍び込み隠れていたが見つけたグエン
全てを話し城に戻るというローレンスを引きとめ
キスを交わすがアパライン警部が警官隊を引き連れ登場
家捜しするがローレンスは既に消えていた
各々はブラックムーアを目指す
ローレンスは父と戦うため
アパライン警部はローレンスを倒すため
グエンはローレンスを救うため
最初に到着した警部は警官隊を各所に配置
グエンはジプシーのマレーバを探し
やっと辿り着いたが彼を救う方法は愛と死しか
無いと告げられる
城に戻ったローレンスは父と再会
銀の弾を箱から出し銃に込め父に発砲するが
既に火薬は抜かれていた
ステッキでローレンスを殴りつける父は
お前に我が帝国の後を継がせる心算だった
と言うがローレンスにその気は無い
やがて月が満ち変身する親子
ウルフマン同士の壮絶な戦いが始まった
だが25年もの経験で圧倒的にジョンウルフが有利
体を噛み千切られ苦悶のローウルフ
もはや絶命寸前 ローウルフはジョンウルフを
思いっきり蹴り飛ばした
運が悪い事に飛ばされた先は火の海だったジョンウルフ
全身を焼かれ火達磨になってしまい無防備状態
ローウルフは父の首を跳ねた・・・・・・・
駆けつけたアパライン警部はローウルフに
戦いを挑むが胸を噛まれる
さらに燃える城に飛び込んできたグエンは
アパライン警部に助けられ銀弾入りの
銃を持って森に逃げ込むが追うローウルフ
崖で捕まったグエンは必死に言葉を掛けた
私よ グエンよ お願い ローレンス
躊躇したローウルフだったが後ろから迫る
警官隊に気が付き再びグエンを殺そうとする
グエンは銃を発砲 体に銀が入ったローウルフは
倒れ人間に戻った
泣き叫ぶグエンにローレンスは言った
ありがとう
そして絶命するローレンス
周りには警官隊があふれていた
アパライン警部は噛まれた胸を押さえていた・・
ローレンス・タルボット/ウルフマン:ベニチオ・デル・トロ
グエン・コンリフ:エミリー・ブラント
ジョン・タルボット卿:アンソニー・ホプキンス
アバライン警部:ヒューゴ・ウィーヴィング
マレーバ:ジェラルディン・チャップリン
マリオ・マリン=ボルケス
エイサ・バターフィールド
リック・ベイカー
原題:The Wolfman
監督 ジョー・ジョンストン
製作総指揮 ビル・カラッロ
ライアン・カヴァノー
製作 スコット・ステューバー
ベニチオ・デル・トロ
リック・ヨーン
ショーン・ダニエル
脚本 アンドリュー・ケビン・ウォーカー
デビッド・セルフ
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